初めてカードローンを利用する前に知っておきたい事
カードローンと聞くと提供する消費者金融を連想して、「高金利貸付」や「悪徳」といったマイナスイメージを連想する方もいらっしゃるでしょう。
しかし、消費者を守る法律の制定や金融会社のイメージアップの努力により、今やカードローンはクリーンな商品に生まれ変わったと言えるでしょう。
少しでも良いローンサービスにしなければ利用者の獲得ができないこともあり、各カードローン会社は今なお大変な企業努力を続けています。
一方、利用者としては各カードローン会社の商品サービスを信頼しきるのではなく、シッカリと理解した上で利用することが大事です。
今はインターネットが普及して消費者も専門的知識を得やすくなりました。
少しでもお得に、少しでもニーズにあったカードローンを選べるように学んでいきましょう。
カードローンの仕組みとは?
カードローンの安全性やクレジットカードとの違いについて触れる前に、そもそもカードローンとはどんな商品なのか、その中身をご説明します。
カードローンの特徴
- 使い道自由なフリーキャッシング
- 担保・保証人が不要
- 目的別ローンと比べて金利は高め
- 未成年・70歳以上は使えない
- 原則、契約者ご本人に収入が必要
カードローンは使い道自由
マイカーローンや住宅ローンのような目的別ローンとは違い、カードローンは限度額の範囲内で借りたお金を自由に使うことができます。
キャッシングの本来の意味は、ATMから現金を引き出す行為のこと。
しかし、実際にはキャッシングは「金融機関から融資を受けるサービス」の意味で使用されることが多いです。
そのサービスのうち、カードローンは使用目的が自由(フリー)なので、「フリーキャッシング」と呼ばれています。
カードローンはフリーキャッシングですが、例外的に事業資金には使うことができません。
なぜなら、事業者向けカードローンと個人向けカードローンとでは、金融機関の審査基準が異なるからです。
また、事業資金は確定申告をもって、毎年国に申告しなければなりません。
申告の際に、個人のお金と事業で使うお金が混ざってはいけないので、カードローンは事業資金には使えません。
もちろん、事業資金以外であれば、カードローンで借りたお金を旅行資金や生活資金などで自由に使うことができます。
担保が要らない代わりに金利は高い
カードローンは個人向けの無担保ローンであり、消費者金融や銀行、信販会社など様々な金融機関が提供していますが、どこの商品であっても変わらず無担保です。
ただし、無担保ローンで注意が必要なのは、有担保ローンよりも金利が高いということです。
例えば、住宅や敷地を担保とした住宅ローンの場合、上限金利は実質年率2.0%以下のところが多いです。
一方で、カードローンの上限金利は、大手消費者金融で実質年率18.0%以下、大手銀行でも実質年率15.0%以下という設定が平均的です。
また、カードローンでは利用者の保証を保証会社がしてくれるため保証人も必要ありません。
保証会社は、カードローンの契約を結ぶと自動的に設定されるので、利用者自ら保証会社と手続きをとる必要はありません。
貸付対象者は20歳以上・学生でも利用可能
カードローンは未成年は利用できませんが、満20歳以上であれば学生であっても利用することができます。
上限年齢は商品ごとに異なりますが、消費者金融であれば満65歳~70歳まで、銀行系であれば65歳前後までという傾向があります。
本人収入がなくても利用可能
銀行カードローンや信用金庫など、銀行法が適用される機関のカードローンは、本人に収入のない専業主婦でも一定の条件を満たせば利用することができます。
それに対し、消費者金融や信販会社といった貸金業者が提供しているカードローンは、本人に年収がないと利用することができません。
これは所得に応じて借入先が規制される貸金業法の総量規制という法律で国から定められているからです。
もちろん、所得額に限らず本人収入があれば、たとえ職業がアルバイトや派遣社員であっても、金融機関を問わずにカードローン利用は可能です。
カードローンの使い方
カードローンの基本的な使い方は、ATMを利用した場合、
②借りたお金を使う(融資の利用)
③返済日までにATMにて借りたお金を返す(融資の返済)
のたった3ステップです。
利用限度額とは、債務者がカードローン会社から借りられるお金の限度額を表します。
利用限度額は、債務者の返済能力によってカードローン会社が独自に決定します。
返済能力の判断材料には、本人の年収、事故情報の有無、職業などが上げられます。
その他、貸金業者においては総量規制も考慮されます。
インターネットが普及した現在では、ネットを使った銀行口座振込による借入・返済もできるようになりました。
このように、時代によって、また金融機関によって、借入・返済方法は多少異なっていきます。
しかし、借入・返済にどんな方法を使ったとしても、使い方は「利用限度額の範囲内でお金を借りる→お金を使う→返済日までにお金を返済する」の3ステップです。
カードローンの安全面・整備された法律
カードローンと言えば、やはり「高金利貸付」や「悪徳」といった悪いイメージもあるかもしれませんが、消費者金融をはじめ、先に説明したように法律改正からも安心感は高くなっているのが現状です。
カードローンが安全な理由
- 消費者を守る貸金業法の制定
- 大手消費者金融の銀行グループ入り
- 情報社会による「消費者の声」の重要性の高まり
- トラブルは指定紛争解決機関が解決
- 原則、契約者ご本人に収入が必要
「高金利貸付」「悪徳」というのは、特に消費者金融カードローンに向けられたイメージかと思います。
消費者金融の歴史は戦後すぐに遡りますが、確かに昔は、消費者金融の「高金利貸付」によって自己破産(債務整理とは)する消費者は後を絶ちませんでした。
しかし、この現状を見かねた政府が、自己破産する消費者を少しでも減らすために、貸付を制限する「貸金業法」を制定。
この法律により、消費者金融は消費者に不利となる貸付ができなくなりました。
さらには過払い金が発生した要因とも言えるグレーゾーン金利の廃止に伴ない、出資法の上限金利を利息制限法と同じ年率20.0%まで引き下げられました。
「利息制限法・出資法の役割の違いと改正内容」で詳しく解説していますが、今は法律によって金利制限があるのです。
元本額 | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 年率20.0%以下 |
10万円以上100万円未満 | 年率18.0%以下 |
100万円以上 | 年率15.0%以下 |
また、この利息制限が見直しされるまでグレーゾーン金利による過払い金の返還請求に応じることができずに倒産する消費者金融が後を絶たず、多くの貸金業者の経営にダメージを残すことになったのです。
「クレジットや事業者ローンにも発生した過払い金の真実」でも紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
しかし、大手消費者金融は、大手銀行グループの傘下になることで経営難をクリアし、いまでは銀行グループ名を汚さないためにも信用を落とすようなことはできなくなっているのです。
確かに現代においても法外な金利での貸付を行う悪徳な金融業者は存在しますが、それらと消費者金融とは全く別の業者なので安心してください。
そして、冒頭でも述べた通り、現代はインターネットによりいくらでも情報が広がる時代です。
消費者金融・銀行といった企業形態に限らず、会社の商品に不備があれば、その情報はすぐさま一般人に認知され商品の人気は下がります。
消費者の指示を受けるためにも、高金利貸付、脅迫まがいの取立て、利用者の個人情報の売買、といった悪徳行為をする大手金融機関はもはやなくなりました。
もし万が一、消費者金融と消費者の間にトラブルがあった際には、指定紛争解決機関が解決のために仲立ちをしてくれます。
指定紛争解決機関とは、消費者と金融会社のトラブルの解決業務にあたる専門機関で、国からの指定を受けた公平な機関のことをいいます。
カードローンとクレカの違い
クレジットカードは、商品の立替払い(ショッピング)と、現金の前借り(キャッシング)の2通りの使い方ができます。
一方でカードローンは、キャッシングしかできません。
また、クレジットカードとカードローンでは適用される法律が違います。
クレジットカードのショッピング枠には「割賦販売法」、クレジットカードのキャッシング枠や貸金業者のカードローンには「貸金業法」が適用されます。
銀行カードローンには「銀行法」という全く別の法律が適用されます。
クレジットカードのキャッシング枠との違い
これに対して、カードローンとの違いが分かりにくいのが、クレジットカードのキャッシング枠です。
クレジットカードのキャッシング枠を利用すると、カードローン同様に、ATMから現金を引落すことができます。
この現金は金融会社から前借りしているお金なので、行為としては、カードローンのキャッシングとの間に違いはありません。
しかし、クレジットカードのキャッシングは、カードローンよりも手数料(金利)が高めです。
クレジットカードの手数料は、実質年率15.0%~18.0%のところが多いです。
一方で銀行カードローンの金利は実質年率4.0%~15.0%、消費者金融カードローンの金利は実質年率4.0%~18.0%というのが平均的です。
クレジットカードのキャッシング利用のほうが、カードローン利用に比べて手数料(金利)が高いですね。
さらに、クレジットカードの利用限度額は、ショッピング枠とキャッシング枠の利用額を合算した金額になります。
ですので、例えばクレジットカードの利用限度額が10万円だとして、ショッピング枠で既に5万円利用していたら、残りの5万円しかキャッシングできません。
それに比べてカードローンはキャッシング専用ですので、利用限度額いっぱいまでキャッシングすることができます。
クレジットカードのキャッシングとカードローンの違いと効果的な使い方
支払・返済方式の違い
クレジットカードとカードローンでは支払方式も違います。
クレジットカードの場合、一括払い・数回払い・リボ払いなど、いくつかの種類の支払方式が選べます。
商品によっては、一括払いでは手数料がかからない、というものもあります。
一方でカードローンは、リボ払いに統一されています(カードローンの場合、一般的に支払いではなく返済と言われます)。
詳細は「リボ払いとはなにか?その仕組みと各社カードローンの対応」を参考にしてください。
その他の違い
クレジットカードの場合、利息は「手数料」と呼ばれますが、カードローンの場合は「金利」と呼ばれます。
また、サービスを提供している会社も違います。
カードローンの場合、銀行・消費者金融・信販会社などの金融機関が提供していますが、クレジットカードは銀行・信販会社などが提供しており、基本的に消費者金融は提供していません。
※アコムのみクレジットカードを提供
他にも、クレジットカードの中には、利用額に応じたポイント還元サービスを提供しているものもあります。
それに対して大手カードローンでは、プロミスにしかポイント還元サービスはありません。
カードローンは暴力団と繋がりがあるのではないか、カードローンを利用すると怖い取立てがあるのではないか、など心配に思われている方も少なくないと思います。
しかし、一般的に言われる悪徳業者や闇金融などの商品と、合法な貸金業者・銀行のカードローンとは一切関係がありません。
また、カードローンは、返済が終了すれば利用者の任意のタイミングでいつでも解約することができます。
借入・返済の方法もシンプルなので利用はとても簡単ですし、商品によっては一定期間の無利息サービスなど、お得なサービスの提供もあります。
大手カードローン会社の担当スタッフは、親切に対応してくれますので、問い合わせたからといってむりやり契約を押し付けられるようなことはありません。
申込みの予定はなくても、問い合わせだけすることもできますので、不明な点があれば、気軽に各金融機関に問い合わせてみてください。